浅葱の桜
「……ふふっ」
「どうしたの」
「いえ! なんでもないですよぉ〜っ」
「なんでもなくないって顔に書いてある」
「嘘!?」
「嘘。まぁ、どうせ、お土産って団子貰ったのが嬉しいだけだろうけど」
否定はしません。一杯貰ったし!
そういえば、密月ちゃんで思い出した。
「一つ聞いていいですか? 沖田さん」
「何?」
「沖田さんって、女の人嫌いなんですよね?」
「嫌いなわけじゃない。苦手なんだ」
どうやら、そこは沖田さんの譲れないところらしい。
「まぁ、どっちでもいいですけど。沖田さんって密月ちゃんは大丈夫なんですね」
普通に喋ってて意外だなぁ〜って思いまして。
「あいつは女って感じしないし」
「そうですか?」
「可愛いって急に抱きつくような奴だよ? 一般的な女性とはかけ離れてる」
そ、それを言ったら私もですけどね。男装とかしてるし。
……私、女として見られてないのかぁ。
って、なんで私少し悲しくなってるの!?
沖田さんに女としてみないでくださいって言ったのは自分でしょうが〜っ。
「ひ、一人で何してんだ?」
「気にしないでくださいっ! 帰ります」
タタッと沖田さんの横を小走りで通り過ぎていく。
着物なせいでいつものように走れない。ほら、もう沖田さん追いついてるし。
横を歩く沖田さんの横顔はどこか寂しさを感じさせながらも美しくて。
……熱出た?
顔が熱いんだけど。
どうした? 私。