浅葱の桜
「ぁ…………」
手に伝わる柔らかくて、でも確かな手応えのある感触。
「か……は、」
左胸を貫かれた浪士は口を数度動かしてその場に倒れ伏す。
血溜まりが足元にまで広がってようやく現実に感覚が戻ってくる。
わ、私が。こ、殺した?
震える右手を左手で抑え込む。
「さ、佐久……?」
「おい、何で佐久がここに居んだよ。って平助⁉︎」
「あの、沖田さんは!」
「あ?、総司なら上にいると思うがって––––おい!」
最後まで聞かずに駆け上がる。
噎せ返る程の血の匂い。
この中に沖田さんが居るんだって考えるだけで心臓が凍りそうだ。
どうか、ただの夢であって。
その願いは途轍もない破砕音とともに粉々に砕け散った。