君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「本当に大丈夫ですか?薬とか飲んだんですか?」
「ん……大丈夫、朝より熱も下がってるし、これでも善くなった方だから」
結局、腕を掴まれたまま部屋に戻り、上がるよう促され、
取りあえず具合の悪そうな後藤は、リビングのソファーに座った
…………全然まだダメじゃん、少し熱もあるし
チラリと一緒にこの部屋にいる女性が気になりながら、さっき彼女に渡した営業部から後藤への書類を手渡した
私、ここに居ていいのだろうか…………
誰なんだろう…………と思いながら後藤の座ったソファーの横に立ち彼女に視線を向けると、
ダイニングテーブルの椅子に座り、さっきとは違いニッコリと笑顔を向けてきた
「あ、私の事は気にしないで。って言うかごめんね。なんか勘違いしちゃって」
…………勘違い?
「って言うか、お前いつまでいる気だよ。もう帰れっ」
彼女に対して不機嫌な声で言う後藤
「え~~」
「彼氏が出張中に元カレんとこに来るっておかしいだろ…………」
元カレ?
「だぁかぁらぁぁ~…………」
はぁっ、と彼女は諦めたように大きな溜め息をついた
「分かった、帰る。病気じゃ仕方無いし。
それにお邪魔みたいだしね。」
そう言って顔を万由の方に向けた
「さっきはごめんね。てっきり由さんから聞いてた『佳樹に会社で結婚迫ってる子』だと思って、佳樹って会社の女の子にここって教えないでしょ」
…………私も教えてもらったのは主任なんだけど
「しっかし、佳樹がねぇ………」
いいもの見せて貰ったと、ククッと肩を上げた
「早く帰れっ」
「はいはい。万由ちゃん、今度二人で飲みに行こうねぇ~♪」
振り向きざまに片手を振って、楽しそうにウィンクをして部屋を出て行った
「……………」