君が好きになるまで、好きでいていいですか?


「開けて、いい?」


「もちろん」

パカッと開ける箱からプラチナにダイヤが埋め込まれた、シンプルながら可愛いハートがデザインされた指輪

後藤がその指輪を箱から取り出して万由の左薬指に嵌めてみせた

あ、ピッタリだ。サイズ教えたっけ?

つけた具合の良さに、そう思って後藤を見上げる



「………………だから、その」

フッと視線を万由の携帯に移した


「?」

バツが悪そうに、頭を掻いた後藤が、万由の手を取って指を触る

「え? あ、もしかして」


「見た目あの子の体型とか、身長とか万由に似てたから、もしかして指のサイズも一緒かなって思って…………つい、ちょっとサイズ聞くついでに握ってみただけで」


ははっ………それをまさか写メで撮られて彼女に送られてるなんて思わないよねぇ…………


「クックッ………やっぱり浮気じゃん」


「なんでっ?」


「だって、つい……なんて浮わついた気持ちだもん。これはうちの父親にガツンっと言ってもらわないと」


サッと瞬間に後藤の顔色が変わる


「万由のお父さんって………武道とかの達人だったりする?」


「ぶどう? いえ、だだの中年のサラリーマンですよ」


前に一花さんの実家にお許しをもらいに頭を下げた浅野主任の話しを訊いた

二人で謝り倒してなんとか殴られずにはすんだらしい




……………あれ? 来週行くって事はホテルの予約は? フレンチはキャンセルってこと?


そもそもこれって、その時プロポーズと一緒にくれるつもりだったんじゃなかったの?
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