夏の嵐と笑わない向日葵
「もっと、知ろうとすれば良かったって……後悔してる」
あたしは嵐君に背を向けて歩き出す。
泣きそうで、そんな顔を見られたくなかった。
「向日葵……」
「…………」
名前を呼ばれたけど、振り返らずにその場を離れた。
考えてみれば、あたしには後悔しかない。
そう気づいてまた、あたしは自分がひどく何も無い人間なのだと気づかされた。
「ニャー」
「ノラ、一緒にお風呂に入ろうか」
あたしはノラを抱き上げて、お風呂に向かった。
今は、ノラに傍にいてほしかった。
でなきゃ、きっと一人でぐるぐると答えの無い答えを探して悩んでしまっていたから。