抜き差しならない社長の事情 【完】



  ***





「梨紗? 俺」


『俺って誰よ?』


 クスッ


「俺は俺だよ
 なぁ、梨紗、 一緒に暮らすか?」


『……』


「もしもし?」


『――聞こえなかった』


 クスクス


「今から行くよ」


『カレーしかない』


「いいな、ホワイトデーにカレーか」


 クスッ



ピッ と電話を切って歩き出した相原の横に、

白い外車がとまった。
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