抜き差しならない社長の事情 【完】
蒼太の左手に包まれた右手から、
全身に広がる蒼太の熱に、のぼせそうだと思いながら
紫月はキュッと唇を噛んで
俯いた……。
手を離してくれないばかりか、
拳を解いて絡めてくる蒼太の指に――
ドキドキと胸の鼓動は激しくなるばかりだし
蒼太の熱い視線を感じれば、
頬ばかりか首筋までもが、赤くなり……
なのに
「なぁ紫月、紫月はどうなんだ?」
蒼太は、一歩も引く様子はなかった。
「今の俺のこと―― キライか?」