いけない!?同居生活
「なんだ、お前は」
「・・・徹平くん」
金髪の、徹平という男。
真っ直ぐ沙紀のもとに駆け寄ると男の腕から沙紀を引きはがし自分の後ろに庇った。
男たちは、声を荒げながら言い合っていて。
出遅れた俺は、立ちすくんだまま動向を見ていた。
「なっ!お前にそんな事言う権限なんてないだろ!」
「あります。僕は、彼女の恋人ですから」
どういう話の流れで、そうなったのかぼんやりしていたのかわからなかった。
でも、徹平が最後に叫んだ言葉ははっきりと耳に届く。
「僕の大切な人になにかしたら、絶対に許しません。出るとこ出ますよ」
「なっ、・・・恋人だと・・・?俺の事、あんなに好きだったくせに!裏切ったな!」
「それだけのことをしたんじゃないですか?過去がどうあれ、今沙紀が好きなのは僕なんで。あなたの入る隙はありません。諦めてください」
「・・・っ!誰がこんな尻軽女!こっちから願い下げだ!」
男が、吐き捨てるようにそう言って走り去るのを見て、すぐに踵を返しビルの中に戻った。