唯一の愛をキミに【完】
あれはいつだったか…。


そうだ、唯に告白されたときに唯に言った言葉。


ーーー唯ちゃんと由香里が同時に助けを求めてきたら迷わずに俺は唯ちゃんを見捨てるよーーー


そんなことを言っていた昔の自分が聞いて呆れる。


唯を見捨てることなんてもう俺の選択肢にはないから。


「わかった。俺も連絡とってみる。おまえはまだ撮影残ってるんだろ?唯のことは俺に任せろ」


『でもっ!』


「大丈夫だから。唯を見つけたら必ず連絡入れる」


『…わかった。よろしくね』


「あぁ」


由香里との電話を切ってすぐに唯に電話をかけるけど、やはり由香里が言うように連絡がつかない。



そして駆けるように走り出して唯の行きそうな場所を片っ端から探し回った。


律に連絡を入れて事情を話したけれど、まだ唯はフォルテへと戻ってはないようだった。


途中唯の家にも行ってみたけれど唯の姿はなく、なんの手がかりもないまま俺は一旦フォルテに行った。
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