花盗人も罪になる
その後、食事を終えて入浴を済ませた逸樹が、明日は休みだしたまには二人でお酒でも飲もうかと言った。
ローテーブルの前に並んで座り、缶チューハイで乾杯した。
お酒を飲みながら、紫恵は逸樹の肩に頭をもたせかけた。
「ねぇ、いっくん……」
「ん、何?」
「抱きつかれて好きだって言われて……いっくんはどうしたの?」
紫恵がさっきから何か言いたそうだったのは、これなのかもしれない。
もう何年も一緒にいて、愛してると言って何度抱き合っても、紫恵は時々付き合い始めた頃のように少し不安げな顔をする。
それは逸樹を疑っているからではなく、紫恵自身が逸樹を溺れさせているという自覚がないからなのだろう。
逸樹は微笑んで、ためらいがちに尋ねた紫恵の肩を優しく抱き寄せた。
「どうもしないよ? 君には興味ないから二度とこんなことしないでくれって言って、帰ってきた」
「……ちょっと気持ちが傾いたりしなかった?」
「するわけないじゃん」
逸樹が紫恵のほんのりと赤くなった頬を指先で愛しそうに撫でる。
「ホント……?」
「ホント。妻を愛してるってハッキリ言った。俺が愛してるのはしーちゃんだけだから」
「……良かった」
心底ホッとしたのか、紫恵が満面の笑みを浮かべた。
「俺が簡単に浮気なんかする男じゃないってわかってホッとした?」
「ん? 何て言うか……私を選んでくれてホッとした」
ローテーブルの前に並んで座り、缶チューハイで乾杯した。
お酒を飲みながら、紫恵は逸樹の肩に頭をもたせかけた。
「ねぇ、いっくん……」
「ん、何?」
「抱きつかれて好きだって言われて……いっくんはどうしたの?」
紫恵がさっきから何か言いたそうだったのは、これなのかもしれない。
もう何年も一緒にいて、愛してると言って何度抱き合っても、紫恵は時々付き合い始めた頃のように少し不安げな顔をする。
それは逸樹を疑っているからではなく、紫恵自身が逸樹を溺れさせているという自覚がないからなのだろう。
逸樹は微笑んで、ためらいがちに尋ねた紫恵の肩を優しく抱き寄せた。
「どうもしないよ? 君には興味ないから二度とこんなことしないでくれって言って、帰ってきた」
「……ちょっと気持ちが傾いたりしなかった?」
「するわけないじゃん」
逸樹が紫恵のほんのりと赤くなった頬を指先で愛しそうに撫でる。
「ホント……?」
「ホント。妻を愛してるってハッキリ言った。俺が愛してるのはしーちゃんだけだから」
「……良かった」
心底ホッとしたのか、紫恵が満面の笑みを浮かべた。
「俺が簡単に浮気なんかする男じゃないってわかってホッとした?」
「ん? 何て言うか……私を選んでくれてホッとした」