花盗人も罪になる
小さな子供に『だいちゃん』なんて呼ばれた大輔は少し照れくさそうだ。

「だいちゃんもかおちゃんが好きなの?」

「えっ?!」

思いもよらぬことを言われ、大輔はうろたえている。

逸樹はおかしそうに笑って希望の頭を撫でた。

「ののちゃん、急にそんなこと聞いたらお兄ちゃん困ってるよ」

希望は不思議そうに首をかしげる。

「いっくんはしーちゃん好きでしょ?」

「うん、好きだよ」

「しーちゃんもいっくん好きでしょ?」

「うん、好き」

「だいちゃんはかおちゃん好きって言わないの?」

「きっとみんなの前で言うのはちょっと恥ずかしいんだよ」

みんなの前で好きだと言うのがなぜ恥ずかしいのか、幼い希望にはわからないようだ。

「ふーん……? ののはかおちゃん大好きだよ」

「俺としーちゃんは?」

「だーい好き!!」

いつものように笑顔で飛び付く希望を、逸樹は嬉しそうに抱き上げた。

「俺もののちゃんだーい好き!!」

希望は逸樹にグルングルン振り回されて、声を上げて笑っている。

紫恵と香織は、心和む光景を見て微笑んだ。

逸樹が希望をそっと地面に下ろしてやると、りぃがその足元で鼻をクンクン鳴らした。

「のの、りぃちゃんも大好きだよ。一緒にお散歩しようね」


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