花盗人も罪になる
くるみ手芸教室では、今日も近所の主婦たちが忙しい毎日の息抜きに手芸とおしゃべりを楽しんでいる。
紫恵は生徒たちの質問に笑顔で答えていた。
「私、離婚することにしたわ」
真理子さんが羊毛フェルトをクルクル丸めながら静かに呟いた。
あまりに唐突な真理子さんのその一言に、紫恵やその場にいた柊子、他の生徒たちがどよめいた。
「え? 離婚するの?」
「うん、話し合って離婚することに決めた」
「なんで? この前は確か離婚する気はないって……」
「旦那の浮気相手ね……若い子じゃなかったの。旦那と同級生の……私より歳上の人だった」
真理子さんは手芸教室で話していた通り、夫と話し合ったそうだ。
若い子とのただの遊びなら今回だけは目をつぶるから、子供たちのためにも浮気相手と会うのはやめて欲しいと真理子さんが言うと、夫はそうじゃないと言って、離婚してくれと頭を下げたと言う。
「取引先の女社長らしいんだけどね……その人と昔付き合ってたんだって。彼女が親の決めた相手と結婚することになって泣く泣く別れたらしい」
それは真理子さんと出会う前のこと。
真理子さんの夫は、社長になる前のその人と付き合っていた。
しかし親の決めた相手と結婚することになったその人を仕方なくあきらめた。
紫恵は生徒たちの質問に笑顔で答えていた。
「私、離婚することにしたわ」
真理子さんが羊毛フェルトをクルクル丸めながら静かに呟いた。
あまりに唐突な真理子さんのその一言に、紫恵やその場にいた柊子、他の生徒たちがどよめいた。
「え? 離婚するの?」
「うん、話し合って離婚することに決めた」
「なんで? この前は確か離婚する気はないって……」
「旦那の浮気相手ね……若い子じゃなかったの。旦那と同級生の……私より歳上の人だった」
真理子さんは手芸教室で話していた通り、夫と話し合ったそうだ。
若い子とのただの遊びなら今回だけは目をつぶるから、子供たちのためにも浮気相手と会うのはやめて欲しいと真理子さんが言うと、夫はそうじゃないと言って、離婚してくれと頭を下げたと言う。
「取引先の女社長らしいんだけどね……その人と昔付き合ってたんだって。彼女が親の決めた相手と結婚することになって泣く泣く別れたらしい」
それは真理子さんと出会う前のこと。
真理子さんの夫は、社長になる前のその人と付き合っていた。
しかし親の決めた相手と結婚することになったその人を仕方なくあきらめた。