花盗人も罪になる
「結局……女の幸せってなんだろう?」

コーヒーにうつる自分の顔を眺めながら、圭がポツリと呟いた。

「さぁね……。それはこれから自分の目で見つけて、自分の手で掴むんでしょ」

綾乃はそう言って席を立ち、キッチンで2杯目のコーヒーをセットする。

「恋愛、仕事、結婚、出産、育児……女って忙しくない……?」

春菜が考えられる女の幸せを指折り数えてため息をついた。

「何が一番幸せかなんて、多分誰にもわからないよ。他人からは幸せに見えても、本人は幸せだと思ってないかも。その逆もあるし」

紫恵は静かにそう言って、スプーンですくったプリンを口に運んだ。

口いっぱいに優しい甘さが広がる。

紫恵はなんだか無性に逸樹に会いたくなった。


「私はね……当たり前のことを当たり前って言えることが、幸せだって思うよ」




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