花盗人も罪になる
休みの日に公園に来ているということは、逸樹も子供を連れて来ているのかもしれない。

そんなふうに思っていると、向こうから小さな女の子が駆けてきて、香織を指差した。

「あーっ、かおちゃんだぁ!!」

逸樹は驚いて振り返った。

「あっ……ののちゃん!」

「えっ?!」

逸樹は不思議そうに香織と希望の顔を交互に見ている。

「近田さん、この子と知り合い……ですか?」

「ののとかおちゃんはお友達なんだよ。ね?」

「うん、そうだね」

たまたま出掛けたりぃの散歩で、こんな偶然に出会うとは。

この間の『しーちゃん』はママではないと言っていたけれど、もしかしたら逸樹が『のの』のパパなのかもしれない。

逸樹はどう見ても子煩悩そうだ。

「ののちゃん、今日はパパと一緒に来たの?」

「パパはいないの」

「え?」

「いっくんと来たんだよ」

首をかしげる香織に逸樹は苦笑いを浮かべた。

「ののちゃんは姪なんです」

「そうなんですね。私はてっきり村岡主任の娘さんかと」

「娘ではないですけどね。かわいいですよ」

香織と逸樹がそんな話をしていると、希望がりぃの前にしゃがみこんだ。

「あーっ、ワンちゃん!」

りぃも鼻をクンクンさせて、希望を珍しそうに見ている。


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