花盗人も罪になる
「ワンちゃんお名前なんていうの?」

「りぃだよ」

「りぃちゃん!かわいい!」

希望は夢中でりぃの頭を撫でている。

香織がチラリと様子を窺うと逸樹は、笑ってりぃを撫でる希望を愛しそうに見つめていた。

「のの、りぃちゃんと遊びたい!」

希望はすっかりりぃが気に入ったようだ。

「でもののちゃん、りぃちゃんはお姉さんとお散歩中だよ?」

希望は姪っ子だと言っていたけれど、逸樹はまるで父親のようだ。

上司のこんな姿、なかなか見られるものじゃないと、その微笑ましい姿に香織は思わず小さく笑った。

「じゃあ……一緒にお散歩しようか?」

「うん!お散歩する!」

希望は嬉しそうに笑ってうなずいた。

「良かったね、ののちゃん」

逸樹は希望の頭を撫でながら香織の方を見た。

「ご迷惑じゃなかったですか?」

「いえ、全然。ののちゃんはお友達ですから。村岡主任こそご迷惑じゃなかったですか?」

「僕は大丈夫ですよ」

「じゃあ……少しお散歩しましょうか」


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