黄金の覇王と奪われし花嫁
◇◇◇
「どこがわかっているんだ!? 子を成すのは、長の務めだ。ユアンが拒むのなら、他の女に産ませろ」
ナジムが改めて話があるなどと言ってきた時点で想像はついていたが、ナジムは珍しく真剣な顔つきだった。
「そう焦らなくても、ユアンも俺もまだ若い」
通用しないだろうなと思いつつ、バラクは軽い調子で反論を試みた。
が、ナジムは一段と低い声でそれをはね退けた。
「どんなに若くても、死ぬ時は死ぬ。
お前は強い。が、絶対に負けないという保証も無いだろう」
ナジムの刺すような視線を受け、バラクも顔つきを変える。
瞳を閉じ、思考を巡らせた。
「・・・黒蛇か」
「そうだ。 あいつは脅威だぞ。おそらくガイールより手強い。勝算は5分だ。
もしお前が負けても、俺は驚かない」
バラクは驚きの表情でナジムを見つめたが、ナジムは眉ひとつ動かさなかった。
バラクは苦笑しながら、言った。
「お前がそう読むのなら、正しいんだろう。5分の確率で俺は死ぬってことか」
「そうだ。 そうなった時、お前の志を継ぐ者が必要だ」
ナジムはまっすぐにバラクを見つめる。
「さしあたっては、お前がいるじゃないか。 お前とお前の子がウラール族を継いでくれるのなら、俺は文句ないぞ」
「俺がお前より長生きする可能性は万に一つも無いよ。先に逝くなど、絶対に許さない」
「ナジム・・そんな重たい愛は要らん」
口ではそう言ったが、ナジムの迷いのないその言葉はバラクにとって何よりも心強いものだった。
バラクが壮大すぎる夢を追いかけることができるのも、ナジムが常に自分の背中を守ってくれているからだ。
ナジムが先に逝くなというならば、その約束だけは何があっても守ろう。
月明かりの元、二人は互いに顔を見合わせ、ふっと笑い合った。
「どこがわかっているんだ!? 子を成すのは、長の務めだ。ユアンが拒むのなら、他の女に産ませろ」
ナジムが改めて話があるなどと言ってきた時点で想像はついていたが、ナジムは珍しく真剣な顔つきだった。
「そう焦らなくても、ユアンも俺もまだ若い」
通用しないだろうなと思いつつ、バラクは軽い調子で反論を試みた。
が、ナジムは一段と低い声でそれをはね退けた。
「どんなに若くても、死ぬ時は死ぬ。
お前は強い。が、絶対に負けないという保証も無いだろう」
ナジムの刺すような視線を受け、バラクも顔つきを変える。
瞳を閉じ、思考を巡らせた。
「・・・黒蛇か」
「そうだ。 あいつは脅威だぞ。おそらくガイールより手強い。勝算は5分だ。
もしお前が負けても、俺は驚かない」
バラクは驚きの表情でナジムを見つめたが、ナジムは眉ひとつ動かさなかった。
バラクは苦笑しながら、言った。
「お前がそう読むのなら、正しいんだろう。5分の確率で俺は死ぬってことか」
「そうだ。 そうなった時、お前の志を継ぐ者が必要だ」
ナジムはまっすぐにバラクを見つめる。
「さしあたっては、お前がいるじゃないか。 お前とお前の子がウラール族を継いでくれるのなら、俺は文句ないぞ」
「俺がお前より長生きする可能性は万に一つも無いよ。先に逝くなど、絶対に許さない」
「ナジム・・そんな重たい愛は要らん」
口ではそう言ったが、ナジムの迷いのないその言葉はバラクにとって何よりも心強いものだった。
バラクが壮大すぎる夢を追いかけることができるのも、ナジムが常に自分の背中を守ってくれているからだ。
ナジムが先に逝くなというならば、その約束だけは何があっても守ろう。
月明かりの元、二人は互いに顔を見合わせ、ふっと笑い合った。