女神は夜明けに囁く~小川まり奮闘記③~
だけど、そんなマスターキーが、簡単にとれるところにあるのだろうか?総務の人しか使えないだろうし、管理方法は知らないが、すぐ目につくところに置いてあるとは思えない。
玉置だとしたら。
あれが、あの女の、玉置の仕業だとするなら。
メーカーの人間よりも総務には入りやすいだろうし、友達もいるかもしれない。だけど、可能なものなんだろうか・・・。
「でもまあ・・・」
考え事がつい口を出た。
「絵の具なんて、普通の人間は持ち歩かないよね・・・」
あの女は文具じゃなかったっけ?地下の販売員よりは手に入るよね、絵の具だって。
私は制服を取り出し、もう面倒臭いから家で着替えて、カーディガンを羽織った。どうせ、今日はあのロッカーは使えそうもない。
そしてまた靴を買いに行き、百貨店に戻って、総務に顔を出した。
「はい?」
対応に出た佐々木さんという女性社員に訳を話してロッカーまで一緒に来てもらう。
「―――――・・・」
彼女は、絶句した。
私はそれを横に立って見ていた。
「これは・・・酷いですね」
ええ、本当にね。うんうんと頷く。
「誰にされたか心当たりはあるんですか?」
その質問には是非答えたいが、何せ証拠がないからうかつに百貨店側の社員の名前を口には出来ない。