女神は夜明けに囁く~小川まり奮闘記③~
私の問いかけに、キッと顔をこちらに向けて、彼女が放った言葉はこれだった。
「私、ここでタバコ吸えないじゃん!自分の部屋なのに、どうしてくれんのよ!」
・・・・そこ?そこなの?先ずは、おめでとう!だろうがよ、社会人・・・。
私は憮然とした。
その後、包み隠さず話すのに2時間はかかった。深夜に若干のハイテンションで今までのことを話す。
私が妊娠していると知ってしまったせいで急遽禁煙体勢に追い込まれたヘビースモーカーの弘美は、イライラとテーブルを叩きながら、桑谷さんと玉置さんと管理体制の悪い百貨店とに悪態をつきまくりながら座っていた。
「ダメ。無理。何で私がこんな目に」
といいながらベランダに転がり出て、愛用のジッポでコンマ2秒でタバコに火をつける。
あああ~・・・うまい、美味すぎる~・・と至福の声がベランダから聞こえた。そして、ちょっと落ち着いた声になってから、弘美は私に聞いた。
「それで、どうするの?明日には家に帰るの?」
私は手をぴらぴらと振る。
「まさか。当分帰らない。ホテル暮らしよね。ここにいるとアンタが禁断症状で死んじゃうと思うし」
「・・・ええ、ここは諦めて下さい」
もう、どうしてそんな面倒臭いことになったのよ~・・・と今まで話を聞いていたハズの女の呟きが聞こえた。
「彼から電話か訪問があると思うの。その時は、よろしく」
「・・・仕方ないわね。もう謝ったんだから、許してやったらいいじゃないのよ。彼は別に罪がないでしょうが」
私はチッチと舌をならして指を振る。