再現教室~死のリプレイ~
力を合わせてなんとか元の位置に移動させたあたしたちは、今度は昨日の昼間の出来事を思い出していた。


今日の放課後はつい数時間前の事だったからよかったけれど、昨日の出来事を思い出すのは少し難しい。


でも、昨日の昼間は特別だった。


だから誰もなにも言わず、昨日の昼間の出来事を確認しあう事もなかった。


その時、あたしは続がドアの近くに座っているのが見えた。


そう言えば昨日の昼間続は体調が悪くなって教室にはいなかった。


だから今回の《リプレイ》には参加しなくていいんだ。


続が昼休みにここにいなかったことを思い出したとき、あたしの記憶は更に鮮明によみがえってきた。


昨日の昼間、真と信一が教室内で何か言い争いをしていたんだ。


あたしと千鶴はこの教室にいたからそれを知っている。


でも続はそれを知らなかった。


だから今日の放課後2人を遊びに誘って断られてしまったんだ。


2人が言い争いをしていたのを知っていれば、2人同時に誘う事はなかっただろう。


そう思ったとき、スピーカーから機械音が流れ始めた。


《それでは、リプレイスタート》


時計の針を見ると、ピッタリ30の所で長針が止まっている。


あたしたちは無言のままそれぞれいた場所へと移動した。
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