運命の恋は健康診断から始まる
そして健診から数日が経ったある日、夜勤明けだった俺はふらりと本屋に寄った。
このへんでは一番大きな書店に入ろうとした俺は、反対側から歩いてきた人が俺とほぼ同時に本屋に入ろうとしていることに気付いて足を止めた。
先にどうぞ、と言おうとしてその人を見て息を呑む。
そこにいたのは、俺が気になってしょうがなかったあの子だった。
髪を下ろしていて、私服だと白衣と印象が変わって見えるから一瞬、人違いかと思ったけど。
優しい眼差しは間違いなくあの子で、信じられない気持ちでその子を見つめてしまう。
先にどうぞ、と言われても動けない俺をその子が見上げてきて驚いたように目を見開く。
ああ、やっぱりあの子だと思って俺は声をかけた。