運命の恋は健康診断から始まる

「なんか最近、高倉さん艶々してません?」


ある日、後輩の結城にそう言われて俺は微妙な顔をする。


結城は後輩だけど立場的には俺の上司に当たる。新人で入社した時に俺が指導係でそこから妙になつかれている。


仕事上はまあ上司として扱ってるけど、普段はやっぱり後輩として話してしまう。


「何だよ、艶々って」


そう言った俺を結城の汚れきってるくせに妙に澄んだ黒い瞳が見透かすようにじーっと見つめてくる。


結城は顔がいいからとにかくモテるけど、女というものを生い立ちのせいもあるんだろうけど信用できないという。


もうこいつとの付き合いも十年以上になるけど、特定の彼女というものを作ってるのを見たことがない。


適当に後腐れなく遊んではいるみたいだけど。


でもこいつに本気で好きになられた相手は大変だろうなと思う、何となく。


結城は本気になったら怖い奴だと思う。


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