運命の恋は健康診断から始まる

読み始めると止まらなくなってしまっていつの間にか読むことに没頭していた私は、視線を感じてハッと顔をあげた。


いつの間にか隣に座っていた宗一郎さんが、自分の膝に肘をついて私の顔をじっと見ている。


思いのほか近くに宗一郎さんの顔があって、茶色がかった宗一郎さんの瞳と目が合って身体がビクッとした。


「わ、あ、ご、ごめんなさい」


人様の家に来て隣に座ったことにも全然気付かないくらい本に夢中になってしまうなんて、なんて失礼なことを。


慌てすぎて立ち上がって謝る私を見て、宗一郎さんがプッと吹き出した。


「いや、全然いいんだけど。すごい集中力だね。俺が声かけても無反応だった」


は、恥ずかしい。声かけられてたのなんて全然気付かなかった。


「す、すいません。夢中になると……そうなっちゃうみたいで」


どうにも本を読み始めるとこうなってしまう。


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