俺様社長と結婚なんてお断りです!~約束までの溺愛攻防戦~
◇◇◇

あの日、両親は失ってしまったけれど、それと引き換えに洸は生まれて初めて夢を持った。

両親が大切にしてきた店と仕事を守り続けること。

いつか羽衣子と約束した世界で一つしかない指輪を自分の手で作れるようになること。


ふぅと小さく息を吐くと、洸は姿勢を正して綾子に向き合った。

「会社に取ってだけじゃなくて・・・永瀬 洸の人生にも羽衣子は必要不可欠な存在です。そろそろ本人にも伝えようかと思ってるんですけど、応援してくれますか?」

洸らしくもなく緊張からか少し声が震えた。だけど、これが偽りのない正直な気持ちだった。両親を亡くしてから、綾子は洸に取って唯一素直になれる年長者だ。

「お父さんと二人でね、二人が並んで挨拶にくる日はいつかしら? ってずっと首を長くして待ってたのよ。
せっかちな洸ちゃんにしてはずいぶん遅いから、もう待ちくたびれちゃった」

綾子は肩を竦めて、嬉しそうに微笑んだ。誰よりも心強い味方を手にいれた洸もまた、穏やかな顔で微笑み返した。
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