最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「う、うわあぁ!?」
「なんだこれは! 気持ち悪い!」

 なにが起こったのかわからずに呆気にとられていると、周りの兵士たちが悲鳴をあげながら、バタバタと地面に倒れていく。
 懸命にもがく彼らの両足には、緑色の細い蔦が何重にも巻きついていた。

「……まああ! なんてふしぎな植物でしょう! こんなふしぎな植物が、地中には“自然に”せいそくしているんですねえぇ!」

 ノーム様が、妙にわざとらしい口調で大声を張りあげる。
 すると他の兵士たちの服が、ボボッと音をたてて次々と燃え始めた。

「うわ! なんだ!? いきなり服が燃えたぞ!?」
「いったいどうなってるんだ!? さっきから!」

 火を消そうと躍起になっている兵士たちの近くで、今度はイフリート様が空々しく大声を出す。

「地中には、危険なガスが充満しているものゆえ! それに引火したのに相違なし!」

「そうですねえ! きっとこれは『自然現象』ですよねえ、あなた!」

「うむ! これは紛うことなき『自然現象』なり!」

 そ、そういうことでいいんですか!?
 そういう結論に強引にもっていきますか!?
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