最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
私を斬ろうとしている兵士の歪んだ形相が迫る。
我が身の危険がわかっていながら、突然すぎる状況に判断が追いつかず、石像みたいに突っ立ったまま、振り下ろされる剣を呆然と見ていることしかできなかった。
『あぁ、私、死ぬのかな? 本当に?』
そんな他人事のような考えが頭をよぎった瞬間……。
「……ぐぅ!?」
目の前の兵士がくぐもった声を出し、両目を大きく見開いた。
薄く開いた唇の片端から、太く真っ赤な血が一筋つうっと流れて、兵士は不思議そうな表情のままドサリと横倒れに倒れる。
その背中には、エヴルの剣が突き刺さっていた。
「キアラ様! ご無事ですか!?」
エヴルが血相変えて叫んでいる。
助けに行くのが間に合わないと見るや否や、渾身の力で自分の剣を投げつけたんだろう。
私の無事な様子を見てホッと気を緩めた彼の背後に、剣を構えて忍び寄る兵士の姿が見えて、私は顔を引き攣らせながら叫んだ。
「エヴル! 後ろ……!」
エヴルは反射的に身を躱そうとしたけれど、ほんの一瞬、間に合わなかった。
背中から斬りつけられ、その衝撃に大きく背を逸らせた彼は、苦痛に顔を歪ませながらドサリと地面に倒れてしまった。
我が身の危険がわかっていながら、突然すぎる状況に判断が追いつかず、石像みたいに突っ立ったまま、振り下ろされる剣を呆然と見ていることしかできなかった。
『あぁ、私、死ぬのかな? 本当に?』
そんな他人事のような考えが頭をよぎった瞬間……。
「……ぐぅ!?」
目の前の兵士がくぐもった声を出し、両目を大きく見開いた。
薄く開いた唇の片端から、太く真っ赤な血が一筋つうっと流れて、兵士は不思議そうな表情のままドサリと横倒れに倒れる。
その背中には、エヴルの剣が突き刺さっていた。
「キアラ様! ご無事ですか!?」
エヴルが血相変えて叫んでいる。
助けに行くのが間に合わないと見るや否や、渾身の力で自分の剣を投げつけたんだろう。
私の無事な様子を見てホッと気を緩めた彼の背後に、剣を構えて忍び寄る兵士の姿が見えて、私は顔を引き攣らせながら叫んだ。
「エヴル! 後ろ……!」
エヴルは反射的に身を躱そうとしたけれど、ほんの一瞬、間に合わなかった。
背中から斬りつけられ、その衝撃に大きく背を逸らせた彼は、苦痛に顔を歪ませながらドサリと地面に倒れてしまった。