最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「終わりは……貴様だ!」
横たわっていたエヴルの体がいきなり跳ね上がった。
身構えたエヴルの拳が、剣を振りかぶる兵士の無防備な喉元に思い切り打ち込まれる。
不意を食らって喉を潰された兵士は白目を剥き、声も出せずに崩れ落ちた。
「言ったはずだ! キアラ様に仇なす者は容赦しないと!」
叫んだエヴルも、崩れるように膝をついて苦痛に顔を歪ませる。
額には玉のような汗が浮き、激痛に耐える肩が小刻みに震え、食いしばる口元からは呻き声が漏れた。
「エヴルしっかりして!」
「キアラ、様……」
「本当にしぶとい連中だこと。でも、ついにこれで本当に終わりよ」
オルテンシア夫人が、クロスボウを構えて狙いを定めている。
エヴルが私を背後に庇って、自分の体を盾にするように両腕を大きく広げた。
私は必死にエヴルの前に出ようとしたけれど、エヴルはそれを許さない。
傷ついた体のどこにそんな力が残っているのかと思うほど、鬼気迫る表情で夫人を睨みつけながら、頑なに私を守ろうとする。
……このままじゃエヴルが射貫かれて死んでしまう!
こうなったら、私の風の力でオルテンシア夫人の息の根を止めるしかない!
覚悟を決めた私は目を閉じ、自分の中の風を必死に呼び起こそうとしたけれど、どうやっても風が生まれない。
意識して力を使ったことがないから、どうすれば確実に力を使えるのかがわからない。
ああ、肝心なときになんて役立たずなの!? こんなことしてる時間なんかないのに!
横たわっていたエヴルの体がいきなり跳ね上がった。
身構えたエヴルの拳が、剣を振りかぶる兵士の無防備な喉元に思い切り打ち込まれる。
不意を食らって喉を潰された兵士は白目を剥き、声も出せずに崩れ落ちた。
「言ったはずだ! キアラ様に仇なす者は容赦しないと!」
叫んだエヴルも、崩れるように膝をついて苦痛に顔を歪ませる。
額には玉のような汗が浮き、激痛に耐える肩が小刻みに震え、食いしばる口元からは呻き声が漏れた。
「エヴルしっかりして!」
「キアラ、様……」
「本当にしぶとい連中だこと。でも、ついにこれで本当に終わりよ」
オルテンシア夫人が、クロスボウを構えて狙いを定めている。
エヴルが私を背後に庇って、自分の体を盾にするように両腕を大きく広げた。
私は必死にエヴルの前に出ようとしたけれど、エヴルはそれを許さない。
傷ついた体のどこにそんな力が残っているのかと思うほど、鬼気迫る表情で夫人を睨みつけながら、頑なに私を守ろうとする。
……このままじゃエヴルが射貫かれて死んでしまう!
こうなったら、私の風の力でオルテンシア夫人の息の根を止めるしかない!
覚悟を決めた私は目を閉じ、自分の中の風を必死に呼び起こそうとしたけれど、どうやっても風が生まれない。
意識して力を使ったことがないから、どうすれば確実に力を使えるのかがわからない。
ああ、肝心なときになんて役立たずなの!? こんなことしてる時間なんかないのに!