最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「なんだか兵士がぞろぞろ神殿さ入って行ぐなぁと思って、来てみれば……。へんてこな洞窟はあるし、この女は危ねえモン振り回してるし、おめえら神殿でなにやってるだ? 罰当たりが」
「お、おじさん! すぐにここから逃げて!」
秘密を知られたら、オルテンシア夫人が黙っていない。
おじさんまで殺されてしまう!
「よ……よくも私の頭を叩いてくれたわね!?」
「ん?」
後頭部を撫でさすりながら睨み上げる夫人を、おじさんは顔をグッと近づけながらしげしげと眺めた。
「んー、んー、おめえ、どっかで……」
「な、なんですの? 女性の顔をジロジロ見るなんて、失礼ですわ」
食いつくように見つめられた夫人は、ひどく気まずい様子で顔を逸らし始める。
それでも構わずジロジロ見ていたおじさんが、頓狂な声を出した。
「あー! どっかで見た顔だと思ったら、タマラでねえか!」
「……!」
目に見えてギクッとした夫人が、慌てて顔を隠しながらおじさんから離れようとした。
おじさんは纏わりつくように追いかけて、なおも夫人の顔を覗きこみながら叫び続ける。
「タマラ! おめえタマラだべ!? あれから村のみんなでずいぶん探したんだぞタマラ!」
「人違いよ! 私はオルテンシア夫人よ! タマラなんて知らないわ!」
「はあ? おるてんしあふじん? なに言ってるだタマラ?」
逃げようとする夫人と、しつこく追いかけるおじさんの姿を目で追いながら、私はこの展開にひたすら混乱していた。
……なに? タマラって誰? このふたり、まさか知り合い?
「お、おじさん! すぐにここから逃げて!」
秘密を知られたら、オルテンシア夫人が黙っていない。
おじさんまで殺されてしまう!
「よ……よくも私の頭を叩いてくれたわね!?」
「ん?」
後頭部を撫でさすりながら睨み上げる夫人を、おじさんは顔をグッと近づけながらしげしげと眺めた。
「んー、んー、おめえ、どっかで……」
「な、なんですの? 女性の顔をジロジロ見るなんて、失礼ですわ」
食いつくように見つめられた夫人は、ひどく気まずい様子で顔を逸らし始める。
それでも構わずジロジロ見ていたおじさんが、頓狂な声を出した。
「あー! どっかで見た顔だと思ったら、タマラでねえか!」
「……!」
目に見えてギクッとした夫人が、慌てて顔を隠しながらおじさんから離れようとした。
おじさんは纏わりつくように追いかけて、なおも夫人の顔を覗きこみながら叫び続ける。
「タマラ! おめえタマラだべ!? あれから村のみんなでずいぶん探したんだぞタマラ!」
「人違いよ! 私はオルテンシア夫人よ! タマラなんて知らないわ!」
「はあ? おるてんしあふじん? なに言ってるだタマラ?」
逃げようとする夫人と、しつこく追いかけるおじさんの姿を目で追いながら、私はこの展開にひたすら混乱していた。
……なに? タマラって誰? このふたり、まさか知り合い?