最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「このままだと生き埋めになるぞ!」
「に、逃げろ! 出口へ急げ!」

 危機的状況を悟った兵士たちは、私たちを放りだして一目散に逃げ出した。
 そうしている間にも、天井から落ちてくる石の大きさが小から中へ、中から大へ、大から特大へとサイズアップしていく。

 次々と落下する大岩に押し潰されてしまう者もいたけれど、宝石の結晶が砕ける大きな音や、激しい振動音のせいで、悲鳴も聞こえない。

 あのときモネグロス様が言ってた『自信作』って、こういう意味だったのね!?
 こんな命にかかわる大事なことを、なんで先に教えてくれないかな、あの神様はー!

「キアラ様、すぐにここから出ましょう! イフリート様、ノーム様、起き上がれますか!?」

 エヴルが私の手を引っ張って、倒れているイフリート様たちの元へと駆け寄った。
 そしてノーム様を抱きかかえようとしたけれど、「ぐっ!」と苦痛の声を漏らして、そのままうずくまってしまう。

「エヴル、大丈夫!?」
「う……ぐぅ……」

 エヴルの青ざめた顔から大量の汗がポタポタと流れ落ちる。
 それでも歯を食いしばって立ち上がろうとしたけれど、途端に背中の傷から鮮血が溢れて、苦悶の表情を浮かべながら地面にドサリと突っ伏してしまった。

 エヴルの背中の血の染みがどんどん大きくなっていくのが見えて、私はか細い悲鳴をあげた。

 出血が多くて、まともに立つことさえできないんだ!
 イフリート様も身動きできないし、このままじゃ私たち全員、生き埋めになってしまう!
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