最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「剣を渡しなさい!」
「ひ……ひぃぃ……助けて……」
「だから、助けてやるから剣を渡せって言ってるのよ!」
ティボー様は完全にパニック状態に陥ってしまって、恐怖に顔を引き攣らせながら剣をガッシリ抱え込んで硬直している。
その腕の中から力づくで剣を引き抜こうとしたら、反対側から伸びてきた手に邪魔されてしまった。
「オルテンシア夫人!?」
「この剣は渡さないわ!」
夫人は私の手を柄から引き剥がそうとして、ものすごい力でギリギリと爪を立てる。
皮膚どころか肉までこそぎ取られる激痛に悲鳴をあげながら、それでも私は剣を放さなかった。
業を煮やした夫人が本性丸出しで絶叫する。
「手を放せって言ってんのよ! この強欲女!」
「あんたにだけは言われたくない! なにが『オルテンシア夫人』よ! この詐欺師!」
「詐欺師でなにが悪いのよ!?」
「普通に悪いでしょ!? あんたなんか故郷の面汚しよ!」
「世間知らずの令嬢のくせに、偉そうなこと言わないで!」
夫人が髪を振り乱しながら飛びかかってくる。
体当たりされて、ふたり一緒にもつれて倒れた私の目に、ちょうど真上から一気に崩れ落ちてくる大量の岩が映った。
「ひ……ひぃぃ……助けて……」
「だから、助けてやるから剣を渡せって言ってるのよ!」
ティボー様は完全にパニック状態に陥ってしまって、恐怖に顔を引き攣らせながら剣をガッシリ抱え込んで硬直している。
その腕の中から力づくで剣を引き抜こうとしたら、反対側から伸びてきた手に邪魔されてしまった。
「オルテンシア夫人!?」
「この剣は渡さないわ!」
夫人は私の手を柄から引き剥がそうとして、ものすごい力でギリギリと爪を立てる。
皮膚どころか肉までこそぎ取られる激痛に悲鳴をあげながら、それでも私は剣を放さなかった。
業を煮やした夫人が本性丸出しで絶叫する。
「手を放せって言ってんのよ! この強欲女!」
「あんたにだけは言われたくない! なにが『オルテンシア夫人』よ! この詐欺師!」
「詐欺師でなにが悪いのよ!?」
「普通に悪いでしょ!? あんたなんか故郷の面汚しよ!」
「世間知らずの令嬢のくせに、偉そうなこと言わないで!」
夫人が髪を振り乱しながら飛びかかってくる。
体当たりされて、ふたり一緒にもつれて倒れた私の目に、ちょうど真上から一気に崩れ落ちてくる大量の岩が映った。