プリズム!
すると、別の一人が項垂(うなだ)れたまま言葉を返す。

「…ホント、マジやってられねェよな…。誰だよ…。あの子利用してあいつ呼び出そうなんて言い出したヤツ…」

「ハンパねぇよ…。何なんだよ…あいつら…」


明らかに痛めつけられた感一杯の五人組。

皆が足元を見てふらふらと歩いているので、こちらには気付いていないようだった。

そんな彼らを横から見送りつつ、雅耶は首を傾げた。


(あいつら…?って誰のことだ?)


『あの子』利用して『あいつ』を呼び出す…?

それを考えた時、雅耶の中にある可能性が浮かんだ。


「なぁ、夏樹?お前…もしかして、また絡まれたりしたんじゃないのか?」


電話の向こうの夏樹に問うてみると、ずっと泣いているだけだった夏樹が小さく口を開いた。


『…っ…笑っちゃう、だろ…?進歩…なくて…っ…』


半分、泣き笑いのような…夏樹の声。

だが、それは先程の質問に対しての肯定を意味しているのか。

「夏樹…?まさか、何かされたんじゃ…。怪我とかしてるんじゃないのか?」

心配になった雅耶は再び足早に裏庭へと向かった。


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