プリズム!
「うん。でも、その時私…具合悪かったから何も言えなくて…。その人にもう一度会って、ちゃんとお礼を言いたいんだ」
その時のことを思い出しているのか、愛美が遠い目をする。
「でも、こうして帰りの電車とかで探してはいるんだけど、なかなか会えなくて…」
「そうなんだ…」
(どんな人なんだろう。流石に、上手い具合に知ってる奴ってことも無いんだろうけど…)
その人物を探しているのか、どこか切なげに車内を眺める愛美に。
「いつか、会えるといいね」
夏樹が声を掛けると。
「うんっ。ありがとうっ。じゃあ、また明日ねっ」
愛美は笑顔で手を振って、自分の駅で電車を降りて行った。
(会いたい人…か…)
再び走り出した電車に揺られながら、夏樹は流れてゆく景色を眺めていた。
(今頃、雅耶は部活かな…)
雅耶は部活がある為、朝は早いし帰りは遅めだ。
この時間帯に偶然電車で会うということは、殆ど有り得ないだろう。
前は学校がある日は当たり前に会えたのに、今はそれが出来ない。
離れてみて、初めてどれだけ恵まれた環境にいたのかを気付かされてしまう。
勿論、成桜でも新しく女の友達が出来て嬉しいし、充実した学校生活だと言えるのだけれど。
雅耶に会えないことが、こんなにも寂しいなんて。
(…こんな気持ちに…なるもんなんだな…)
この想いが『恋』というのかは知らないけれど。
ずっと傍にいた時よりも、雅耶への想いが募っているような感じがした。
その時のことを思い出しているのか、愛美が遠い目をする。
「でも、こうして帰りの電車とかで探してはいるんだけど、なかなか会えなくて…」
「そうなんだ…」
(どんな人なんだろう。流石に、上手い具合に知ってる奴ってことも無いんだろうけど…)
その人物を探しているのか、どこか切なげに車内を眺める愛美に。
「いつか、会えるといいね」
夏樹が声を掛けると。
「うんっ。ありがとうっ。じゃあ、また明日ねっ」
愛美は笑顔で手を振って、自分の駅で電車を降りて行った。
(会いたい人…か…)
再び走り出した電車に揺られながら、夏樹は流れてゆく景色を眺めていた。
(今頃、雅耶は部活かな…)
雅耶は部活がある為、朝は早いし帰りは遅めだ。
この時間帯に偶然電車で会うということは、殆ど有り得ないだろう。
前は学校がある日は当たり前に会えたのに、今はそれが出来ない。
離れてみて、初めてどれだけ恵まれた環境にいたのかを気付かされてしまう。
勿論、成桜でも新しく女の友達が出来て嬉しいし、充実した学校生活だと言えるのだけれど。
雅耶に会えないことが、こんなにも寂しいなんて。
(…こんな気持ちに…なるもんなんだな…)
この想いが『恋』というのかは知らないけれど。
ずっと傍にいた時よりも、雅耶への想いが募っているような感じがした。