プリズム!
自宅の最寄駅まで着くと、夏樹は駅前裏通りへと足を向けた。
この通り沿いには、お洒落なカフェやカラオケ店など賑やかな店が多く建ち並んでいる。
その通りの中程にある『Cafe & Bar ROCO』というお店で、夏樹はアルバイトをしているのだ。
(何だかちょっと、久し振りで緊張するな…)
バイトを始めたのは、まだ夏樹が『冬樹』だった頃からである。
だが、夏樹に戻ってからは色々あってなかなかバイトへ入ることも出来ず、少し間が開いてしまっていた。
この店のマスターである中山直純は、夏樹の事情を知っている人物の一人である。
実は冬樹と雅耶が昔通っていた空手道場の家の息子で、当時はまだ高校生だったのだが、既に有段者の先生でよく教えて貰っていたのだ。
ちなみに、雅耶は今でもその道場に所属している。
この街に戻って来た時に偶然再会したのだが、直純はひとり暮らしをしている冬樹の実情を知り、色々と気に掛けてくれていた。
そして、アルバイトを探していた冬樹を好条件で雇ってくれたのだった。
だが、ずっと『冬樹』として普通に接してくれていた直純だったが、実は冬樹と夏樹が入れ替わったまま、あの事故が起きたことを唯一気付いていた勘の鋭い人物でもある。
そのことを夏樹が知ったのは、兄の冬樹と再会を果たし、これまでの事情を説明する為、二人揃って直純のもとへ挨拶に行った時だった。
この通り沿いには、お洒落なカフェやカラオケ店など賑やかな店が多く建ち並んでいる。
その通りの中程にある『Cafe & Bar ROCO』というお店で、夏樹はアルバイトをしているのだ。
(何だかちょっと、久し振りで緊張するな…)
バイトを始めたのは、まだ夏樹が『冬樹』だった頃からである。
だが、夏樹に戻ってからは色々あってなかなかバイトへ入ることも出来ず、少し間が開いてしまっていた。
この店のマスターである中山直純は、夏樹の事情を知っている人物の一人である。
実は冬樹と雅耶が昔通っていた空手道場の家の息子で、当時はまだ高校生だったのだが、既に有段者の先生でよく教えて貰っていたのだ。
ちなみに、雅耶は今でもその道場に所属している。
この街に戻って来た時に偶然再会したのだが、直純はひとり暮らしをしている冬樹の実情を知り、色々と気に掛けてくれていた。
そして、アルバイトを探していた冬樹を好条件で雇ってくれたのだった。
だが、ずっと『冬樹』として普通に接してくれていた直純だったが、実は冬樹と夏樹が入れ替わったまま、あの事故が起きたことを唯一気付いていた勘の鋭い人物でもある。
そのことを夏樹が知ったのは、兄の冬樹と再会を果たし、これまでの事情を説明する為、二人揃って直純のもとへ挨拶に行った時だった。