プリズム!
(実際、そう…だよな…)
今まで男として普通に過ごして来た自分が『実は女でした』とか言っても、そう簡単には切り替えて見れないんだろうな…と思う。
仁志さんは普段から口数が多い方ではなく、本当に思った事しか口にしない人だ。
だから、それこそが本音なんだろう。
「気持ち悪く…ないですか?急に、こんな女の格好で…」
何だか再び恥ずかしさが増してきて、思わず自嘲気味になる。
だが、二人は揃って首を傾げた。
「「…何故?」」
「だって…、自分は全然女らしくもないし…」
少し髪が伸びた程度で、それ以外は何も変わっていないのに。
そんな夏樹の心情を見透かしたように、直純は優しく笑うと「夏樹は、気にし過ぎだよ」…と、言った。
「どんな格好をしていても、お前はお前なんだから、そんなこと気にすることないんだよ。『冬樹』だった時も、お前自身だったとは思うけど、今はもっと自然にいていいんだ。これで元どおりなんだから、ありのままの夏樹で良いんだよ」
「直純先生…」
その優しい笑顔と言葉に、胸が温かくなる。
「な?…仁志も何か言ってやれよ」
カウンター内の後ろの台に寄り掛かりながら腕を組んで黙っている仁志に、笑いながら直純は肘で小突く。
仁志は、そんな直純をチラリ…と見た後、ゆっくりと口を開いた。
今まで男として普通に過ごして来た自分が『実は女でした』とか言っても、そう簡単には切り替えて見れないんだろうな…と思う。
仁志さんは普段から口数が多い方ではなく、本当に思った事しか口にしない人だ。
だから、それこそが本音なんだろう。
「気持ち悪く…ないですか?急に、こんな女の格好で…」
何だか再び恥ずかしさが増してきて、思わず自嘲気味になる。
だが、二人は揃って首を傾げた。
「「…何故?」」
「だって…、自分は全然女らしくもないし…」
少し髪が伸びた程度で、それ以外は何も変わっていないのに。
そんな夏樹の心情を見透かしたように、直純は優しく笑うと「夏樹は、気にし過ぎだよ」…と、言った。
「どんな格好をしていても、お前はお前なんだから、そんなこと気にすることないんだよ。『冬樹』だった時も、お前自身だったとは思うけど、今はもっと自然にいていいんだ。これで元どおりなんだから、ありのままの夏樹で良いんだよ」
「直純先生…」
その優しい笑顔と言葉に、胸が温かくなる。
「な?…仁志も何か言ってやれよ」
カウンター内の後ろの台に寄り掛かりながら腕を組んで黙っている仁志に、笑いながら直純は肘で小突く。
仁志は、そんな直純をチラリ…と見た後、ゆっくりと口を開いた。