健康診断の甘い罠

震え始めた私を見て、その人達はニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる。


それを見て嫌悪感で肌がゾワリと粟立った。


「震えてるし、超かわいい。ほら、怖くないから」


やだ、怖いし、無理。絶対無理、嫌だ。


その人達から逃げようと私はきびすを返して駅の隣にあるコンビニに全速力で駆け込んだ。


一ノ瀬さんに言った足が速いっていうのは本当だ。


後ろから舌打ちが聞こえたけど、とにかく怖くて急いでコンビニに入って胸を押さえる。


恐る恐るコンビニの外を見ると、その人達と目が合ってニヤリと笑われて思わず息を呑んだ。


だけど、コンビニの中まで追いかけてくれる気配はなくてちょっとホッする。


だけど、このままじゃ家に帰れない。


やっぱり男の人は怖い。


そう思うのに、私の手は震えながら和弥くんの携帯の番号を探して、電話をかけていた。


< 103 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop