健康診断の甘い罠
「冗談だし。行こうか、早く離れたいでしょ」
そう言って車を走らせる和弥くんを見てホッと息をついてまだ止まらない涙を拭った。
「怖かった?」
そう言われて頷いて、和弥くんの横顔を見つめる。
「来てくれて嬉しかったのと、安心したので、気が緩んじゃって」
そう言うと和弥くんが私をチラッと見てハアッと息を吐く。
「そりゃ、行くでしょ。大事な彼女にあんな怯えた震えてる声で助け呼ばれたら、飛んでくよね。焦りすぎて部屋着のままだし、眼鏡なのとか忘れてた」
そう言って笑う和弥くんを見れば確かにスウェットにTシャツでパーカーを羽織った格好だ。
「千紗の家、行くけど。一回俺の家に寄っていい?着替え持ってく」
そう言われて、頷くけど。どういうことなのか理解できない私を見て和弥くんが微笑む。