御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
私と怜人さまは、警察に少し話を聞かれたあと帰宅を許された。

帰宅と言っても私は帰る家を失い、私は取りあえず怜人さまのマンションに一緒に帰ることになった。


怜人さまのマンションの前で、クラウディアが待っていてくれた。

私が困らないよう、身の回りの物を用意してくれたクラウディア。まるで小さな子にそうするように彼女に何度も抱きしめられ、頬にキスをされてなんだかとても安心した。

こういうスキンシップが、怜人さまの国の感情表現なのだと、心と体でようやく本当に理解した気がする。





怜人さまの部屋は高級住宅街の高層マンションの最上階にあった。

ドアを開けると広がる大理石のエントランスは、それだけで私のアパートの部屋ほどの広さだ。

通されたリビングは、広すぎてもう何畳あるのかも分からない。

一面がガラス張りになった戸の向こう側には、広いルーフバルコニーが広がっている。


「クラウディアが持ってきてくれたもので、しばらくは間に合うと思いますが……。荷物の確認をしておいてください。僕はもう一度シャワーを浴びてきます」

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