素敵な夜はあなたと・・・

「茜の夫はお前だろう。こんなことを黙って認める訳にはいかん。黒木、お前は夫としてこの問題を解決するんだ。いいな。」

「茜の住んでいる所や連絡先も知らずにどう解決すれば良いのですか?!」


 何もかもが部外者扱いされては優也は茜と接触しようにも何も出来やしない。夫らしくと言うのであれば妻の居所を隠すようなことをするなと怒鳴りたくもあった。

 けれど、会長相手にそんなセリフは勿論言えるはずもない。



「茜のマンションと連絡先は秘書から説明させよう。茜が男と手を切らんようなら今すぐにでもお前のマンションへ連れ戻せ。そして一日も早く私に曾孫を抱かせることだ。」


 会長は何かある度に優也に曾孫の催促ばかりをしてくる。そんな会長のセリフも聞き飽きた優也はかなり精神的に追い詰められていく。

 母親が母親なら娘も娘だと優也は呆れてしまった。親子して年端もいかぬ年齢の時から男を作って自分の気の赴くままに遊ぼうと言うのか。


 優也は茜のマンションの所在や連絡先を秘書から聞いたものの、茜が素直に部屋の中へ入れてくれるとは思わなった。かと言って、写真の男との関係を探る必要がある優也はおめおめと舞阪一族から黙って追い出されるわけにはいかなかった。

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