素敵な夜はあなたと・・・
先ずは茜に男の有無を確認する必要があると思った優也は、久し振りに下校時刻に合わせて学校へと向かった。
いきなりマンションへ現れるよりは学校へ迎えに行く方が自然の流れのように感じた優也は、以前の様に校門外の送迎用に儲けられた広くなった敷地に車を停めて茜が出てくるのを待っていた。
すると、いつもより少し早めに校門から出て来た茜は写真に写っていた例の男子生徒と一緒に出て来た。
「茜、迎えに来た。」
いきなり茜の前に立ちはだかるように現れた優也を見て、茜は目を細めてしまっていた。そして、優也を無視すると斎藤の腕を抱きしめて横を素通しして行った。
「茜、いいのか?今のヤツ、祖父ちゃんの使いなんだろう?」
「そうよ。お祖父ちゃんの下で働いている人なの。だけど、お祖父ちゃんから何も聞いてないから問題ないわよ。行こう、斎藤君。」
茜は知らん顔をしながら斎藤の腕を抱きしめて歩いていく。その姿に優也はかなり頭に血が上ってしまった。茜がこんな大胆な行動を取らなければ会長が知ることはなかった。
優也を無視した茜の所へと駆け寄り、力づくで引っ張り茜を斎藤から引き離した。
「痛いわよ!」
「とにかく俺と一緒に帰るんだ。会長命令だ。」
「・・・・分かったわよ。」
「祖父さんの命令ならしょうがないよ。じゃ、茜、また明日。」
「うん、後で連絡するね。」
茜と斎藤が見つめ合っている姿を見て優也はかなり二人が親密であることに気付いた。写真を取られただけの事はある相手だと分かると茜の腕を掴む手に力が入ってしまう。