素敵な夜はあなたと・・・
茜はごそごそと音がして痛みのあった手に違和感を覚え少し目を覚ましてしまった。
だけど夢心地の茜は優也がいることなど気にもしていなかった。
「どうしたの?」
「指を怪我しているから治療してるんだよ。」
「大丈夫よ、舐めれば治るわ。」
茜はそれだけ言うとまた深い眠りに誘われてしまった。
優也はしばらく傷の場所を抑えながら止血していた。茜のベッドの横に座ると止血の為に手を握り締めながら茜の寝顔を見つめていた。
「あの男も茜の寝顔を見ながら眠ったことがあるのだろうか・・・・」
優也は茜の額を撫でながら髪の毛を指で梳いていた。茜のあどけない寝顔に優也は笑顔を見せていた。
そして、翌朝、
目を覚ました茜はベッドにもたれ掛かって眠る優也に驚いて飛び起きてしまった。いったい何故ここに優也が居るのだろうかと驚いていると、布団に血がついていることに気付いた。そして、指に痛みが走るとそこには絆創膏が撒かれ優也の手で握りしめられていた。
昨夜、麦茶を飲んだ後にコップを投げつけて割ったことを思いだした。その時に指を切ったのを微かに覚えていた。
「治療してくれたんだ・・・・ありがとう」
「ん?・・・・茜?」
もぞもぞと目を覚ました優也はハッと思いだし茜の手を取ると指を確認していた。
「大丈夫か?!! 痛みは?!」
真剣に心配してくれる優也だがその優しさが茜には辛かった。