素敵な夜はあなたと・・・

 茜は優也との距離を取ろうとしているのか、学校の送迎もだんだんと数少なくなっていく。どんなに遅くても迎えに行くと優也が言っても、友達と一緒に帰るからと拒む一方で学校帰りにどこへ行っているのか行き先を知ることも出来ずにいた。

 家に居ても茜の携帯電話へ斎藤から電話が入ると、直ぐに自分の部屋へと籠ってしまう茜とは思う様に話し合いができずにいた。


 そして、優也が会社から帰宅すると家の中がやけに賑やかだと気付く日が多くなる。そんな日は決まって斎藤が遊びに来ているのだ。夕食の時間まで茜の部屋で二人だけで過ごしている。

 夜になれば斎藤は帰宅するものの、それまでは茜の部屋で二人っきりになっているのだ。

 そんな日が続くと流石の優也も何時までも黙ってはなど居られなかった。


 食事の席で優也が茜にかなり厳しい口調で話しはじめた。


「あの男をここへは連れ込むな。」


 だけれど、茜はそんな優也の言葉などは完全無視し聞く耳は持たなかった。関係のない優也に茜の交友関係まで口を挟んで欲しくなかった。


「私、前にも言ったわよね? 私の交友関係には口出ししないでって。」

「・・・・それにしては限度がある。男を連れ込むなんて呆れ果ててるよ。」


 優也の言葉にキレた茜は食事の途中で席を立つとリビングから出て行った。

 話し合いを始めようとしても、いつもこんな調子で話し合いで折り合いがついたことはなかった。


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