素敵な夜はあなたと・・・

 茜が部屋に閉じこもってしまうと優也は一度ハッキリ話し合おうと茜の部屋へと行った。ドアの前までやって来るとドアを数回叩いた。しかし、茜の反応はなかった。そこで、もう一度ドアを叩こうとすると茜がドアを開けて出て来た。


「茜、少し話があるんだ。」


 優也は茜を怖がらせないように笑顔で話しかけるも、茜の反応はさっきまでのリビングでの様子と変わりなかった。


「どいて、出かけるの。」

「どこへ行く?!」

「彼とデートなの。遅くなるけど待っていなくて良いわよ。それに、朝食も要らないから。」


 言いたいことを言うと茜は玄関へ向かった。優也は茜の腕を掴むと体を引き寄せた。


「力づくではどうにもならないわよ。」

「あの男の所へ行くのか?!」


 茜はフッと鼻で笑うと優也を見つめては笑顔を見せた。欲しいときには見せず、こんな嫌がらせ的な笑顔を見せられても嬉しくもなんともなかった。

 優也は掴んでいた腕を離した。そして、もう一度話し合いをしようと言う優也を無視し茜は出かけてしまった。

 一人残された優也はリビングへ行くと美佐へ連絡を入れていた。


「茜のことで話があるんだ。俺はどうして良いのか、もう、分からない。」

「茜と話し合う時間を持つのよ。いい?きっと、茜なら大丈夫だから。もっと、茜を信じて話し合って。」


 美佐に何度相談しても返ってくる言葉は「話し合え」だった。しかし、今の茜はとりつく島もない。

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