素敵な夜はあなたと・・・
それから数日間、一人マンションで茜の帰りを待っていた。けれど、茜は帰ってこなかった。
優也は茜が自分のマンションに戻ったのではないかと急ぎ茜のマンションへと車を走らせた。
しかし、マンションの中は誰もいなく使われた様子はなかった。
茜の寝室のドアを開けて荷物がどうなっているのか調べようとした。優也が入った茜の寝室にも茜の姿はなかったが、そこには男物の服などがあちこちに置かれていた。
ハンガーにかけられたジャケットもあれば、ベッドの上にはシャツや下着など茜の物と男物が無造作に置かれていた。
「会長が心配した通りだった。美佐の娘だよ。こんな乱れた生活を送るなんて・・・」
優也はあまりのショックに動けなかった。床に座り込んで項垂れたまま時間だけが過ぎていた。
優也が茜と斉藤の関係にショックを受けている頃、二人はベッドのなかに入っていた。
茜は初めての経験に心臓をドキドキさせながらも、怖くて体を震わせていた。
「茜、無理するなよ。俺は何時までも待つって約束しただろう?」
「ううん。いいの!今日こそは斉藤君と最後までやりたいの。」
「いつも途中で怖がるくせに。焦る必要はないんだぞ。」
斉藤は決して茜に無理強いはしなかった。キスしても裸で抱き合っても茜が怖くなるとそこで何時も止めてくれた。かなり、斉藤に可哀想なことをしていると、茜は分かっているものの最後の一線だけは越せずにいた。
どうしても優也の顔が頭に浮かぶと斉藤を受け入れられなくなる。優也に義理立てする必要などないと分かっていてもやはり斉藤を受け入れられなかった。