素敵な夜はあなたと・・・
茜が美佐の家に居ることを聞いた優也は直ぐに美佐の所へと向かった。
駐車場に車が停まるとそのブレーキ音に茜も美佐も驚いてリビングの窓から外を見ていた。
すると、優也の車が停まっていることに気付いた茜は、ここへ優也がやって来るのだと分かった。
「お母さん、優也さんが来たわよ。」
そう言って自分の部屋へ引き籠ろうとする茜を呼び止めた美佐は茜に優也と話し合うように説得した。
けれど、何もかも信じられなくなっていた茜にはその言葉でさえ信じようがなかった。
「今更何を話し合うの? そう言えばここでお母さんと優也さんは抱き合ってキスしてたよね?」
「え?」
「私が知らないとでも思っていたの?お母さんが優也さんとどんな関係なのか知ってるのよ。」
茜はそれだけ言うと玄関の方へと向かって歩いて行った。
美佐は何もかも茜が知っているとは思ってもいなく、体の力が抜けてしまうと床に座り込んでしまった。
玄関から入って来た優也を出迎えたのは茜だった。暗い表情の茜は優也を見ても笑顔一つ見せなかった。そして、優也に一言言いたいことがあってそれをこの日は告げるべきだと思った。
「離婚届を書いたら私に届けて下さい。お祖父ちゃんには私から説明します。勿論優也さんの不利になるようなことはしませんから安心して下さい。」
茜は深くお辞儀をすると優也の目を見ることなく家の中へと入って行った。
優也が茜の後を追って家へと入ると美佐が床に座り込んでいるのを見つけた。優也は驚いて美佐を抱きかかえるとソファーへと座らせ何があったのかを聞きだした。