素敵な夜はあなたと・・・
「私の所為だわ。茜がこんな子になるなんて。みんな私が悪かったのよ。」
泣きじゃくっている美佐を放っておけない優也は美佐を抱きしめていた。そんな二人を物陰から見ていた茜は「やっぱりね」と心の中では諦めもついていた。
二人に気付かれないように家を出ると空を眺めていた。
外は快晴なのに何故か目は水で濡れている。それが自分の涙だと分かっていても雨が降っていると思いたかった。
「快晴だけど雨なのよ。今日は土砂降りの雨。だから、こんな日は家の中でジッとしている方がいいのよ。」
茜は自分のマンションへと向かった。
そして、自分の寝室へ行くと疲れてしまった茜はそのままベッドに寝そべって眠ってしまった。
確かにこの数日間は斎藤と親密な夜を過ごした。最後の一線は越せなかったものの斎藤とは何度も肌を重ねた。お互いの体を愛撫してお互いの気持ちを確かめあった。
だけど、やっぱり茜にはそれ以上は出来なかった。どうしても頭から優也が離れなかったのだ。
いつの間にか眠っていた茜が少し気分が良くない事で目覚めた。最後の一線を越していないのだから妊娠は有り得ない。けれど、気持ち悪くて眠ってしまっていた。
するとそこへ祖父からの電話が入った。茜は憂鬱と思いながらもその電話を取っていた。
「なあに?お祖父ちゃん?」
「茜、今、黒木君から電話があったのだが。本当なのか?」
「何が?」
早速優也は離婚の手続きを祖父へお願いしたのかと苦笑していた。そんなにも美佐との結婚を急ぎたいのなら早く別れてあげなきゃと茜は離婚の話を祖父へ報告するつもりだ。