素敵な夜はあなたと・・・
離婚が成立すると寂しく感じた茜だが、気持ちはとてもスッキリしていた。これ以上優也に惑わされることなく生活が出来る。そう思うと気分が悪い日が続いた茜の体調もかなり改善していった。
そして、祖父から借りていた高級マンションは引き払い、小さ目の学生向けのアパートを借りてもらうことにした。
これまで優也に仕込んで貰った家事仕事を一人でやって行けるからと、一人暮らしをすることを決意しこれからの人生も一人でゆっくり考えたいと祖父にお願いした。
「大丈夫よ。大学へ行ってしっかり勉強して良い人を見つけるわ。きっとお祖父ちゃんが喜ぶような人を紹介出来る様に頑張るからね!」
茜が一人暮らしを始めたのは、高校3年生も卒業しようと言う時期に差し掛かっていた。月日が過ぎるのは早いもので茜は既に18歳になっていた。卒業後の進路も決まっており、4月からは花の女子大生だ。
優也は以前のまま舞阪商事(株)の開発課課長として仕事に励んでいた。優也の結婚は極秘扱いだったために、職場の社員で結婚も離婚も誰も知る者はいない。以前と変わらぬままに一人暮らしを続け乍ら仕事に励んでいた。
優也が昼ご飯を食べに外へ出た時のことだった。携帯電話に着信音が鳴り響いた。久しぶりに聞く音だった。
茜専用の着信音に優也は慌てて携帯電話を取り通話ボタンを押した。