猫の湯~きみと離れていなければ~
―― ただいま
わたしは気を取り直してメッセージを返すと、うさぎのスタンプを押した。
スタンプは押そうかどうか迷ったけど、やっぱり文字だけじゃ味気ないというか、少しは女の子らしいところをアピールしたかったし。
「目の前にいるのに、なんか変だな」
「そうだね」
わたしたちは顔を合わせると照れをごまかすように、クスクス笑いあった。
「そういえば陽向は猫が好きなんだってね。アイコンも猫なんだね」
「あー、これうちのお猫様なんだ」
陽向のアイコンは、はちわれ模様の白黒の猫だった。
まっすぐにカメラを見ている金色の瞳は宝石のようにきれいで、顔も副会長と違ってかなり美形に思える。
あれ?
わたし今、猫をきれいって思った?
そう考えていると、わたしのスマホが着信を知らせた。
「ごめん、ママからみたい」
陽向に断りをして電話に出た。