☆お見舞いに来てください☆
そんなじめっとした考えが嫌で思わず顔をペチペチと叩いた。
私は私。比べちゃだめ。
今は自分のできることをしっかりやらなきゃ…
最近プライベートでも頻繁にかかってくる三島先生の電話への不信を買い物袋と一緒にぎゅっと小さく包め込んだ。
ちょうどその時だった。
ある程度の買い物か終わり地元の駅に着いた時、駅を出た所でバッタリ中嶋さんと鉢合わせた。
彼は出張か何かの帰りだろうか?
手に大きめのスーツケースを持ち、ちょうど迎えの車を待っているところだった。
「やあ、偶然だね。今帰り?」
中嶋さんは私を見るなりやっぱり嬉しそうに目を細めた。
そして軽くお辞儀をした私においでおいでと手招きをする。
「良かったら一緒に乗ってく?送ってくよ?」
「え、いや……」
突然の誘いにどうしたもんかと考えた。
これは素直に受けるべき?
きっと中嶋さんは純粋な気持ちで声をかけてくれたに違いないのだけど。
「はは大丈夫、別に誘拐とかしたりしないから安心して。運転手に責任もって自宅まで送らせるから」
茶目っ気に言った彼が白い歯を見せた。
とても穏やかで飾らない表情だ。
だから何となく気が緩む。変に意識をするのをやめようと思った。
たまには彼の行為に乗っかってみるのも悪くないよね?
荷物もあるため、ここは素直に「じゃあ、お願いします」と頭を下げた。