☆お見舞いに来てください☆

さすが社長さん。
乗り込んだ車はとても高級なものだった。しかも運転手さんまでいる。
今までそんな素振りを感じなかったけれど、こうやって見るとやっぱり偉い人なんだなぁ。再確認する。

車内に乗り込み上質な革張りのシートに腰を下ろすと中嶋さんがゆっくりこちらを見た。


「ちょっと強引だったかな?」

「いえ……」


なんとなく緊張。
ぎこちない言い方になってしまったけれど、中嶋さんの方は気にした素振りはないようだ。


「未来ちゃんを見るとどうしてもほっとけなくなってしまってねぇ。ごめんね、鬱陶しかったらちゃんと言ってほしい」


彼の中での私はどんなふうに映ってるんだろう。
まだ子供?
昔を懐かしむ存在なんだろうか?


「それにしても大きくなったね。初めて見た時見違えるようだったよ。お世辞じゃなく紗英ちゃんそっくりだって」

「…そ、そうですか?」

「ああ、とても綺麗になった」


中嶋さんは切なそうに目を細めた。
やっぱり昔を懐かしんでいる。私を見つめながらその奥で当時の母を思い出してるのだと思った。

紗英ちゃんとは私の母の名前。
本名は後藤紗英子。彼は昔母のことをそうやって呼んでいた。
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