☆お見舞いに来てください☆

「中嶋さん……」


思いがけない告白に胸が熱くなる。
まさか彼がここまで私達のことを思ってくれてたとは思わなかった。
だからあんなにも親切にしてくれたんだと心までざわついた。


「ご期待に添えられずごめんなさい…」

「いや、僕の方こそ謝らないとね。理由はどうあれあの時幼い未来ちゃんから母親を奪ってしまっていたのは事実だから…」

「そんな……」

「僕が紗英ちゃんといる時、いつも不満げな顔だったのをよく覚えてるよ」


そんなことを言われ急に恥ずかしさが込み上げた。
確かに当時は彼に嫉妬してた。仲がよすぎる二人に母が取られた気がしてずっと面白くはなかったと思う。


「お、お恥ずかしいです」

「いや、それが普通だよ」


中嶋さんは少し自称気味に顔色を落とす。
そして少し遠い目をした。


「僕達はけっして世間から認められる関係ではなかったからね。どんな言い訳をしたところで夫や妻を伴っている人と関係を持つということは誰かしらを不幸にしてしまうことだと思うから」


中嶋さんはそう言ったけど、それは違うと思った。実際他の人がどうなのかは分からない。けど私達は違う。否定の意味を込めてすぐに顔を横に振った。
< 345 / 446 >

この作品をシェア

pagetop