☆お見舞いに来てください☆

だって母は…
今なら私も分かるような気がした。


「それは違います。それでも母は幸せだったと思います。母を全力で愛してくれた。私達をちゃんと守ろうとしてくれたじゃないですか」


うちの家族は既に壊れていた。
家族としての機能を果たしてはいなかった。
もし、あの時中嶋さんがいなかったらきっともっと母は悲しみと苦しみの間でもがき苦しんでいたかもしれない。


「だから私は感謝します。母を愛してくれてありがとうございます」


自分でもこんなことを言う日がくるなんて思わなかった。
けどもう私はあの時とは違う。
それなりに恋をして人を好きになるということがどんなことなのか重々分かってるつもりだ。

だから今ならあの時の母の気持ちも分かる。
私だって同じ境遇になったらきっと同じことをしてたかもしれない。

結婚してようがしてまいが、あの時母は救われたんだ。最後は大好きな人に看取られて幸せだったんだと思う。


「……そう、まさか未来ちゃんからそんな言葉を貰えるとは思わなかったよ。嬉しいね。感動で自分が報われた気分だよ」


中嶋さんは今日一番の清々しい顔になった。
とても嬉しそうに目を細め、「ありがとう」と私の頭を撫でた。
それが思いのほか嬉しくて、私も同じような笑みに変わる。
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